東京高等裁判所 昭和60年(う)607号 判決
被告人 善本産業株式会社 外九名
〔抄 録〕
所論は、原判示第二の一の(二)、同第二の一の(三)の1においてそれぞれの事業年度の所得金額に対応する事業税の額が当該事業年度の損金の額に算入されていないのは、法人税法二二条三項、四項の解釈適用を誤ったもので、その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかである、というのである。
そこで検討すると、法人の事業税は、法人税法三八条ないし四一条の反対解釈により、当該法人の所得金額の計算上、損金に算入されることとなるが、その計算規定である同法二二条三項二号によれば、当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものは、当該事業年度の所得の損金としては扱われないことになっているところ、地方税法七二条の二四以下によれば、法人の事業税は申告納付の方法によることとされており、国税通則法一五条、一六条を類推すると、法人の事業税の税額は、当該事業年度終了後二か月以内に申告することにより初めて確定することとなるといい得るから、法人税の課税標準算定上、法人の事業税の額を当該事業年度の損金に算入すべきではなく翌事業年度の損金に算入すべきであるとする取扱いが、同法二二条三項二号、四項に違反するとはいえない。
(海老原 森岡 阿部)